井ノ口視点

チーズを教える 台湾編2

ピータンとモッツァレッラ
台湾でチーズを作るということは台湾の人がチーズを食べなければ成立しません。台湾には夜市、屋台などローカルフード満載でなかなかチーズの入り込む余地がありません。台湾にチーズ料理を普及させるためには台湾料理を知らなければと思い本を買いました。その本の著者在日台湾人のUさんに電話して台湾料理にどうチーズを加えればよいかアドバイスをいただきました。ピータンとモッツァレッラはUさんが提案してくれた料理のひとつです。Uさんは3年目以降通訳として一緒にチーズ普及に関わってくれました。台湾人は北京語、台湾語、場合によっては客家語を話すため、Uさんの通訳は本当に助かりました。

ピッツァを作る二人のIさん
 チーズ料理といればやっぱりピッツァでしょう。ということで東京のピッツェリア ジターリア ダ フィリッポのIさんと台北の微風広場にあったサルバトーレ台北支店のIさんが手を貸してくれて牧場でピッツァを作るイベントを開催しました。みんな美味しいそうに食べていました。もちろん酪恵舎スタッフは全員参加してイベントを盛り上げました。この後牧場ではピッツァを販売することになりました。一回のイベントで一気にチーズが売れるなどということはありませんが、こうしたイベントを重ねることで少しずつ知名度が上がり、だんだん定着していくものだと思います。それにしても「縁」があってのことだとつくづく思います。

 牧場の牛たち
 始めた当初は牛の頭数も少なく、生乳がアイスクリームに使われるとチーズが作れないということもありましたが、S社長の判断で増頭して現在搾乳牛は70頭を越えています。様々な紆余曲折がありましたが、ようやく販売にこぎ着けました。一緒に始めてから5年かかりましたが、本当に美味しいチーズが作れるようになりました。2018年3月に契約は更新しませんでした。なぜならもう大丈夫だからです。それ以上に僕たちは本当の仲間になりました。(真的朋友)
ヨーロッパから中央アジアでは豊かな乳文化が花開いているのに東アジアでは乳文化がありません。その土地に酪農があるならば乳文化もあるべきです。
そしてアジアは心で一つになれる世界でも珍しい地域だと思います。それはモンスーンという気候が生み出した風土で、自然に対して受動的忍従的であると言うことと無縁ではありません。経済でつながる西洋文明否定しませんが、それらを肯定する余りアジアの文明を否定すべきではありません。
ともあれ5年の間に5人の台湾人が酪恵舎でチーズを学び、酪恵舎全員が2回台湾を訪れました。インバウンドという言葉を良く耳にしますが、来てもらってお金を落としてもらうことだけでなく、僕ら自身がアジアに行き、交流することこそが大切なのだと、そしてアジア人同士は本当に解りあえるということを学んだ5年間でした。

五月に降る雪(油桐花)
謝謝 台湾! 一起加油!(ありがとう!台湾 一緒に頑張ろう!)

チーズ職人

  • 白糠酪恵舎 代表 井ノ口 和良
             

    福岡出身。18歳で北海道に渡り帯広畜産大学を卒業後、道東へ移住。 酪農と関わり暮らして37年。夢は原材料100%の純国産チーズを作って広めること。

  • 及川 由博

    生まれも育ちも生粋の北海道人。25歳で井ノ口代表と出会い、チーズ作りの虜に。酪農の豊かさを共有しあえる仲間づくりに奮闘中。

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