日本におけるチーズ作り

 日本人の乳利用は鎌倉時代以降ぱったりと途絶えるが、江戸時代、幕府によって千葉でオランダから輸入した白牛3頭で「白牛酪」が作られた。日本ではじめてヨーロッパタイプのチーズの製造が本格化するのは、明治以降のことである。また、わが国で初めてチーズが作られたのは、奇しくも北海道道南の七重勧業試験場で明治8年のことです。その後、トラピスト修道院や雪印乳業、明治乳業などの手によってチーズ製造が始まりました。第2次大戦が終わると食の洋風化が進み、プロセスチーズが給食メニューに登場し、チーズの消費は確実に増加しました。

 日本のチーズ消費の特徴は、ナチュラルチーズよりもプロセスチーズの消費が多いことです。ヨーロッパではチーズといえばナチュラルチーズを指し、日本ではプロセスチーズを指します。戦後、日本ではプロセスチーズが主流となり、日本人がチーズといえばプロセスチーズであった。プロセスチーズとは一般にゴーダチーズ(オランダ)またはチェダーチーズ(英国)を原料にし、これらを加熱殺菌して乳化剤であるクエン酸Naを添加して固めたものである。一昔前の日本ではナチュラルチーズといえば、ゴーダ、チェダー、カマンベールであった。日本で個性的なナチュラルチーズが盛んに作られるようになったのは、ここ10年のことです。この10年くらいでナチュラルチーズの需要が増大し、道内でもナチュラルチーズを作る工房が増え、現在では50以上あるといわれています。

 ナチュラルチーズを作る上で重要なのは、牛乳の品質です。日本の酪農の歴史は浅く、戦後以降急速に発展しました。当時の牛乳はナチュラルチーズを製造するに十分な品質ではありませんでした。しかし、現在では酪農家やそれを取り巻く多くの人の努力によって品質も上がり、なかでも釧路地域で生産される牛乳は、道内でも上位にランクされる良質な牛乳となりました。そのことが良質なナチュラルチーズの生産を支えています。