チーズを楽しむ
白糠酪恵舎の今日までそして明日からVol.4 ~共に栄えるチーズ工房の実現〜
2018.03.24
『共に栄えるチーズ工房の実現』
2012年8月に新しい工房が完成した。今までの小さな工房では注文に答えられなくなっていたのだ。そして小さいとどうしてもコスト高になることも分かった。努力しても値段を下げられない。より多くの人に食べてもらいたいのに値段が高すぎると食べてもらえない。一定のサイズにならないと何も伝えられない。仮に1トンのチーズを作ったとしてそれは日本人500人分の年間消費量でしかない。6次産業化を推進するとしても小規模なら地域への貢献度は低い。個人の満足に終わってしまう可能性もある。これから道内のチーズ工房はそこを考えていく必要がある。何が何でも大きくしろということではない。適正規模というものを考える時期に来ていると思う。
11年の活動の中で僕たちはたくさんのことを学んできた。その最も大きなものはそれぞれが役割を果たし、連携して共に発展することの大切さである。白糠の自然も牛も酪農家もチーズ工房も包材屋さん、運送屋さんもレストランも小売店もそして消費者もみんな一つの集団として捉え、この集団の満足が最大になるためにチーズ工房として何をなすべきかを考え実践すること。それが僕らの目指す工房の姿である。
簡単なことではない。でも続けることの大切さは十分わかっているから、苦しくてもあきらめない。これからも楽しい食卓が提供できるように僕らのチーズは深化していくだろう。